超融会 〜日本酒について〜
超融会という会議があった。
いろんな分野の人々が集まってやる勉強会
「ちょー融合する会議、略して超融会」 である。
これは、会社の富士地区の研究開発本部の中で、色んな人が集まって行っている。
仕事や研究に限らないので、今日は 「日本酒について」 だった。
発表はもちろん私♪
資料をPower Pointで作ろうと思ったが、作り始めたらきりがなくなってきてまとまりがないので途中でやめた。
その代わり、2000年度 五月祭の際に作成した「この郷この酒(このくに このさけ)」の冊子を使用した。
こちらは、五月祭で 東京大学 農学部 2類 旧農芸化学科 が毎年行っている企画であり、全国の日本酒を蔵元にお願いして送ってもらい、来場者の皆様に試飲してアンケートを記入してもらい、それらを統計的に処理して蔵元に還元する、という素晴らしい企画である。
何が素晴らしいかって、そりゃ全国の日本酒を無料で好きなだけ呑めるからですよ。 そりゃすばらしい!
そして、企画の前には勉強会と称して蔵元見学へ行き、蔵での絞りたての日本酒を飲む。
めちゃうま!!
でもこのイベント、すごく大変でした。
私は冊子作成担当で、卒論生で朝10時から夜中まで実験し、そのあとほぼ徹夜でマニアックな冊子を作る。 そして卒論なので朝から研究室に行かなくてはいけない。
日本酒が好きだから、冊子作り始めたら、これもこれも、あーあれも、って書いているうちに、相当マニアックな冊子になってしまった。
デフェリフェリクリシンの構造式(水に含まれている鉄と結合して日本酒の味を劣化させる物質)をChem Drawで書いたりしてた。
ちなみに、最近麹菌の全ゲノム解読が成され、この鉄イオンをキレートするフェリクリシンの生合成遺伝子が解明された。50kbに及ぶ巨大なクラスターとして存在することが明らかになり、麹菌の2次代謝産物の生合成経路の解明に今後期待出来る。
参考http://www.nrib.go.jp/ken/seika/H14Seika_p.htm
http://www.nrib.go.jp/
話がそれた。
超融会でしたね。
で、日本酒について、雑談のような形で会議が行われた。
思いもよらない質問が飛び交い、とても面白かった。
日本酒は、麹菌が米を糖化し、酵母が糖をエタノールに醗酵させる。
麹菌も酵母も微生物である。
「酵母を使ってエタノール生産ってコスト的にどう?」
「メタノール生産はやってるけど、エタノールは・・・どうなんでしょう」
日本酒では、味を変える要素として、米、米の精米歩合、水、麹カビ、酵母、醗酵方法など色々考えられる。
「米を削っていくと、澱粉の割合が高くなるよね。でもたんぱく質も相当残ってるよね。 たんぱく質が味にかなり影響してるの?」
「澱粉と、その他の微量成分、アミノ酸、たんぱく質とかで完全合成にて美味しい日本酒って造れないの?」
「吟醸の香りはエステル系たよね?」
「そうですね。 酢酸エチルなどのエステル系や、アルコール、有機酸、カルボニル化合物、などなどですね。 吟醸香を後から付ける、付け香(ヤコマン)もありますよー」
「酵母は最終製品の中に残ってるんだよね。 生酒だと酵母は生きてるよね。酵母の耐性でアルコール度は決まるの?」
・・・
もっと色んな視点から勉強しようと思った一日でした。
日本酒は奥が深い!!
そして、終わった後に、新年会があると聞いていたのになくてさびしく仕事を夜してました。
21時頃、帰ろうと思ったら後輩と先輩を発見したので近くに飲みに行ったら、なんと、亀岡酒造の「銀河鉄道」があって驚いた。
氷温10年貯蔵、720ml壱万円の私の大好きなお酒である♪ これを置いてあるお店ははじめて見ました。
ちょっとうれしくなった。