生物工学会@名古屋に参加して

名古屋より更新。
生物工学会、興味深い研究発表が多いです。

世界中で行われている研究の積み重ねで学問が発展していくのだな、と再認識しました。
もっと勉強しないと世の中の流れに乗り遅れそうです。。。



個人的に興味深かったのは、

「分子認識脳と光触媒作用を持つハイブリッドナノ粒子」

二酸化チタンTiO2粒子を用いて、中性溶液中で安定して分散させ、生体分子を導入可能な表面修飾を行い、高い分子認識脳と分解能を持つハイブリッドなの粒子の作製を試みていました。

ターゲットドラッグデリバリーなどに用い、今後癌治療などの医療分野でも応用が期待されます。
しかし、TiO2って体内に入って安全なんですかね〜



「枯草菌ゲノムベクターを用いたバイオプロセス遺伝子群の集積・デザイン」

Recombinational Transfer法。
外来遺伝子を導入したプラスミドを形質転換した枯草菌に、自立複製可能なプラスミドを導入し、外来遺伝子をプラスミドとして取り出せる、という手法。

離れたオペロンやら制御遺伝子を人為的にくっつけた遺伝子を作って発現させてました。そのくっつける手法として、8塩基認識の制限酵素SfiI(GGCCNNNNGGCC:Nの部分に作りたい配列を組み込める)を使っていました。で、5個ぐらい遺伝子断片をつなげるために、ユニークな3塩基の配列をそれぞれ両端につけて、順番にligationさせるというもの。

大腸菌では環状のプラスミドを取り込むのに対し、枯草菌では線上の配列を環状にして取り込むので、高効率で取り込めるとかナントカ。




たまに学会に行くと興味深い研究が多くてモチベーションが上がっていいですね。

ビールの香気成分の耐久性(新鮮な香りを長く保持させる)の研究(サッポロビール)や、ウィスキー原酒中の水・エタノール分子間相互作用の研究なども面白かったです(酔鯨酒造@高知、ニッカ)。ウィスキーを熟成させると味が安定してふくよかな味わいになるためには、熟成期間より樽の素材が重要だそうです。シェリー樽を用いると熟成中に酸、フェノール類が顕著に増加してました。

ちなみに、水・エタノール分子間相互作用によりお酒は美味しくなると言われておりますが、ソニックにより簡単にその状態が作れることは有名です。
研究室や眼鏡屋にある超音波洗浄器にお酒をつっこんでから飲むと美味しくなる!(今度やってみよう)